第3弾「パーティを作るアイテム」。

 今回はパーティの会場コーディネートに必要なアイテムが

どこで、誰が、どのように準備しているかのお話です。

パーティの装飾を担うもの・・・

通常日本では、イスやテーブル、プレートやナイフ&フォークなどは、

基本のセットとしてその場所/会場にあるものを使うことがほとんどです。

また、テーブルクロスやナフキン、メニューなどの印刷物や装花は

その会場が契約している会社のサンプルから選ぶしかないのが実状です。

ここアメリカではそれらアイテムの調達方法が少し異なります。

限られたラインナップから探し、「あるもの」から選ぶだけではなく

パーティに合わせて「作る」ことが選択肢に加わります。

そう、アイテムの調達方法の違いというよりは、

パーティのコンセプトを明確に掲げ、それに合わせてすべてが準備されていくというフローの違いであり、

その場所/会場の所有品や契約している企業のアイテムに限定されない仕組みの違いなのです。

パーティやイベントに欠かせないアイテムが揃うロサンゼルスにある「APP社」。

40年以上の実績を誇るAPP社は、レンタルクロス・什器の事業に留まらない空間装飾のエキスパート。

常にクライアントごとにデザインを起案し、各アイテムを具現化し、トータルコーディネートをする会社です。

ビバリーヒルズで毎週末行われる様々なパーティやイベント、

ひいてはハリウッドの舞台装飾も手掛けておられます。

事務所からショールームに向かう通路の両サイドには、

今まで装飾された会場の写真や、ハリウッドの映画スターや監督からの手紙がずらり、

代表のシルヴィア氏が長年素晴らしいお仕事をしてこられたことに感服しました。

APP社の特徴・強みは、まず商品の種類と点数の多さ。

ショールーム、また広い工場では収まりきらず、敷地内にコンテナが並んでいました。

あるスタッフが「どこに何があるか」を熟知されていて、必要な時にはスピーディに出てくるそうです。

そしてもうひとつは、企画・制作・メンテナンスに至るまで、一貫して自社で運営されているところ。

伺った時もスタッフがフル回転で制作・作業をしておられました。

例えばカスタマイズされた装飾棚。

ベースとなる木版にそのイベントのイメージと思われる布を貼り付け、あっという間に完成です。

また、すぐに別のイベントで必要になるアイテムをクリーニングや洗浄し

次のクライアント仕様に手を加え化粧されていました。

いちから作る製作の問題。材料を手に入れる問題。ストックしておく場所の問題。

・・・日本ではまだ、カスタマイズ装飾のための課題が山積です。

APP社と同様の仕組みをこの規模ですることは難しいかもしれませんが

アイデアを絞り、何か出来そうな気がしました。

例えば、

思いや展開が同じメンバー数社で原材料となるべきものをシェアする、など。

パーティごとに制作する装飾アイテムをいかにスピーディに形にするか

ここにはそのアイデアがたくさんありました。